昴サジ。

 昴の背に付いた爪の痕を見つめサジータが申し訳なさそうに言った。
 「…痛むか?」
 その問いに表情を変えずに昴が答える。
 「いや?」
 「本当か?」
 「何だ」
 「ああ、いや、ちょっと強くし過ぎたかなぁと」
 言ってから、昴の表情を探って。
 「…やはり、故意だったのか」
 「だって、証拠を残したいじゃないか」

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