マリかえ。

 「おや、お出かけですか?」
 出掛ける支度をして玄関へと向かうかえでをマリアが呼び止める。
 「ええ。金田先生の所へ原稿の催促」
 苦笑しながらそう言ったかえでを思案顔でマリアが見つめる。
 「…私もご一緒してよろしいですか?」
 「え?ええ、別に構わないけど」
 「それでは、直ぐに支度してきます」
 そう言って直ぐに支度を整え、玄関で待つかえでの元に立つ。
 「お待たせしました。行きましょうか」
 「ええ。でも、どうしたの?突然」
 「ボディガードですよ。あなたは危なっかしいので」
 「え?」
 そう聞き返したかえでに聞こえない様にマリアが独り言ちる。
 「…また、温泉に行かれたら堪りませんからね」

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