隣室から漏れ聞こえてくる声に昴はため息を吐いた。
大方、ロベリアがグリシーヌをからかいたくて始めたのだろうが、いつの間にか本気になったらしい。
やれやれ…と頭を振って目の前のサジータを見ると、妙に熱っぽい視線をこちら側に送っている。
「…サジータ。君は簡単に煽られ過ぎだ」
呆れる様にそう言った昴の言葉が図星だったのか白を切る様にサジータが返す。
「な、何の事だよ?」
その態度に、サジータの肩をトンと扇子で押して傍らにあるベッドへと押し倒す昴。
倒れたサジータの上に乗っかって囁く。
「…物欲しそうな顔をしてよく言う」
「なっ…」
「違うのか?」
「…違ってない…」
昴の言葉を肯定し、サジータは昴を引き寄せる様に腕を伸ばした。
「…隣に聞かれないか?」
「君次第じゃないか?サジータ」
そう笑ってサジータの首筋を舐め上げる昴。
「…っ……」
思わず声が嬌がりそうになって自らの手を噛むサジータ。
「…ほら、君次第だ…」
昴は口角を上げると指を肌へと滑らせた─。