「…お誕生日おめでとうございます」
自分の膝に座らせたかえでを後ろから抱き締めながらマリアが言った。
「ありがとう、マリア」
マリアの腕にそっと自分の手を添えてかえでが返す。
「何が欲しいですか?」
「あなたがこうしてそばに居てくれるだけで十分だわ」
「常套句ですね」
「でも、本当の事だもの」
そう笑ったかえでの髪にキスを落としてマリアが言う。
「そんな可愛い事を仰ると、これからどうなっても知りませんよ?」
「マ、マリア」
マリアの言葉に頬を染めるかえで。
「もう遅いですよ、かえでさん?でも、あなたの誕生日ですから、いつもよりももっと私で充たして何も考えられない様にしますね?」