昴サジ。

 ジョージアの衣装に身を包んだサジータを振袖姿で見つめながら昴がサジータを呼ぶ。
 「何だよ?」
 近付いて来たサジータに屈めとばかりに指で下を示して。
 「はぁ?屈めって?」
 文句を言いつつも屈んだサジータの頭に手を伸ばすと唐突にサジータの髪留めを解く昴。
 「お、おい。もう本番なんだぞ?!」
 焦って髪を戻そうとするサジータの手を制すると昴が言った。
 「衣装が少しアレンジされたんだ。この方が映える」
 思い掛けないその言葉に思わず昴の顔を見つめるサジータ。
 「そっか?」
 そう聞き返して鏡を見る。
 「ああ」
 そう頷いた後。
 サジータの髪を指先に絡ませて昴が言った。
 「期待には後で応えよう」

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