「ハロウィン?」
「はい。ご存知ですか?」
「うーん?」
首を傾げた大神にすみれが得意そうに言う。
「西洋のお祭りでお菓子を持っていない方に悪戯をしていいというお祭りですの」
「へぇ-。面白いね」
そう頷いた後、思案顔ですみれを見て大神が言う。
「…すみれくんは今はお菓子を持っているのかい?」
「?持っていませんが?…中尉、まさか」
そう口にしてすみれの顔が赤くなる。
「まさか?」
「な、何でもありませんわ」
「何でもないって顔をしていないよ?」
そう壁際に押しやり、すみれの髪に触れる大神。
「…悪戯されるって思ったのかい?」
その言葉ですみれの体温が一気に上がる。
「しようか、悪戯」