昴サジ。

 深夜。
 キャメラトロンの呼び出し音が突如として鳴って、昴は回線をオンにした。
 『…悪い。寝てたか?』
 回線の向こうから申し訳なさそうな声でサジータが言う。
 「…非常識な時間だ」
 床についてはいなかったが、そう返す。
 『…本当に悪い』落ち込んだ様にサジータが言った。
 「…それで、どうしたんだ?」
 昴のその質問に暫くの沈黙。
 『…アンタが欲しくなっちまった』
 恐らく回線の向こう側で顔を隠しながら言っているだろうサジータの表情が容易に想像出来て昴の口角が上がる。
 「僕にどうして欲しいんだい?」
 もうこんな時間だと常識を臭わせて返す昴。
 『…アンタと…したいんだ…』
 泣きそうな声で紡ぐ。
 「随分と求められているな、僕は」
 わざと溜息混じりに答えると、半ば開き直るかの様にサジータが言う。
 『…そうだよっ。頭がおかしくなっちまったんじゃないかって思うくらい、アンタの事ばかりだ…!』
 回線越しで良かったと思う程、昴の表情が和らぐ。
 「情熱的な言葉をくれた君にお礼をしようか…」

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