深夜の海岸は波の音だけが響いて少し不気味だ。
マリアはかえでの躰をきつく抱き締めた。
「どうしたの?」
「あなたが波に攫われそうで」
「大丈夫。私はあなたのそばに居るわ」
そう笑ったかえでに頷いて返すと、マリアはかえでの鎖骨をなぞるように指で触れた。
思わず、ビクとなるかえで。
「それでも猫は水が苦手です。怖がらない様に撫でて上げないといけませんね」
そうかえでの唇を奪うマリア。
「…ん…っ…」
舌を絡めて腔内を蹂躙しその吐息の熱さも愉しんで。
夜の海辺に淫靡な音が響き、ようやく唇を離した頃にはかえでの目は潤み頬は上気していた。
「もっと、可愛がってあげますよ?」