「全く、君も懲りないな」
扇子をサジータの顎先に突き付けると昴が言った。
「いや、つい」
そう笑って返したが鉄扇は昴の匙加減一つでどうなるか分からない。
「つい…何だい?」
抑えたその声に二の句が継げずに凍り付く。
「…どうしたら赦して貰える?」
「その答えは君がよく解っているんじゃないか?」
低く笑った昴の前に傅くサジータ。
昴はサジータの髪に触れると髪留めを外す。
纏められていた髪が一気に解け目の前に美しい黒髪が散らばる。
その髪を指で梳くと昴はサジータの首筋に唇を寄せ強く吸い上げた。
「…っ…」
思わず声が嬌がったサジータの唇に指を充て、言う。
「…声を出しては駄目だろう?」