ロベグリ。

 「何やってるんだ?」
 鏡を見ながらネクタイと奮闘しているグリシーヌに言う。
 「どうにもうまくいかぬのだ」
 その不器用な様子に舌打ちをするとロベリアは立ち上がった。
 「…ったく。ちょっと貸しな」
 「う、うむ」
 グリシーヌはネクタイを結んで貰いながら落ちてくる薔薇の香りに胸が動悸するのを感じた。

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