「昴さーんっ」
「…どうしたんだい?その耳は」
昴がそう言うのも無理はない。
新次郎の耳は何故か猫耳になっている。
「ぼくにも分からないんですけど朝起きたらこうなってたんですー」
すっかり困惑している新次郎に昴が言う。
「…大方、サニーの仕業だろう。行くぞ」
(触って撫で回したい気もするが)
「あの、昴さん…?」
「…何だい?」
てっきりサニーサイドの所に行くのかと思いきや、昴の部屋に連れて来られて。
「そう見られると少し恥ずかしいです」
そう新次郎に指摘されて改めて自分が新次郎を凝視していた事に気付く昴。
「…すまない。ところで、新次郎」
「はい」
「少し触れても構わないかい?」
新次郎にそっと手を伸ばす昴。
触れた瞬間にピクと震えたそれに妙に心が高揚するのが判る。
思わず何度も撫でていた。
「えへへ。ちょっと変な感じです」
そう恥ずかしそうに言った新次郎に昴が問う。
「…変な感じ?」
「はい。こそばゆいというか気持ちいいというか」
「…昴は言った。これ以上は危険だと」