「祭りの後の」花星ライブネタ ロベグリ(10/12月作成)


「─随分、面倒を見てやったみたいじゃないか」
紆余曲折の末、すっかり打ち解けて大切な友人となったリトルリップシアターの面々を見送ってテアトルに戻った後、”良い友人が出来た”と満足そうなグリシーヌにロベリアが少し含みを持って言った。
リトルリップの面々が来ていたおかげか、このところはすっかりなかったそれが始まる気配。
久々の二人の開戦を察知したのか、そそくさとその場を去る残りの者。(話に割って入ろうとするエリカをコクリコと花火が両サイドから挟んで連れて行ったのは言うまでもない)
「…何が言いたい?」
「いや、誰かさんが二日酔いのサジータの面倒を甲斐甲斐しく看てやったって聞いてね」
「それが何だと言うのだ」
明らかに挑発的なロベリアの態度に少しムッとしながらグリシーヌが返す。
「その上、”グリちゃん”だの”サジちゃん”だの呼び合ってたらしいじゃないか」
「だから、何が言いたいのだと聞いている!」
「随分と仲のおよろしい事で」
失笑しながらそう言ったロベリアに、グリシーヌが応酬する。
「ほぅ。ならば、そなたの事も”ロベちゃん”と呼んでやろうか?!」
「ああん?馬鹿か?」
グリシーヌのその応酬に馬鹿にしたように肩を竦めてみせるロベリア。
「それとも、ヤキモチでも妬いたか?」
「だったら、悪いかよ?」
グリシーヌとしては反撃のつもりだったが、ロベリアはあっさりとそれを肯定した。
思ってもいなかったその返しに思わぬ肩透かしを喰らうグリシーヌ。
思わず聞き返してしまう。
「は?」
「妬いたんだよ、悔しいけどな」
本当に悔しそうに舌打ちをしてロベリアは椅子にドカッと腰掛けた。
「そ、そういうそなたこそ良い飲み仲間が出来たと申しておったではないか」
どう返して良いか分からずに、そう切り返す。
「何だ。アンタこそヤキモチかよ?」
「どうしてそうなるのだ」
「何なら、いつでも誘ってやるぜ?」
「そういう事を申しておるのではない」
「じゃあ、何だよ?」
これでは、少しも話が進まない。
それにロベリアに指摘された事もあながち全てを否定出来ない。
ロベリアと肩を並べて楽しそうに歩くサジータを少しではあるが羨ましいと思ったのも本当なのだ。
「では、」
「ああん?」
「仮に私がそなたの言う通りだったとしよう」
「何だよ。”仮”ってのは」
「言葉の通りだが?」
「まぁ、いい。で?…とその前に」
ロベリアは話を中断すると、自分の膝をポンポンと叩きグリシーヌにここに座れと指示した。
「何故だ」
「話を聞くにも体勢ってもんがあるだろ」
「それのどこが話を聞く体勢なのだ?!」
「そんなのアタシの勝手だろ。いいから、ほら」
更に促すロベリア。
このままでは結局話が進みそうにない。
渋々、ロベリアに従うグリシーヌ。
ロベリアの膝に横向きに座ると、言った。
「では、話の続きだ。仮に私がそなたの言う通りだとしたところで、何だというのだ」
「何だ、じゃないだろ。アンタがそれを認めるのは珍しいだろうが」
「仮の話だと言っておる」
「ふん。まぁ、それでもいいけどよ」
そう言って、グリシーヌの腰に手を回すロベリア。
「そんな事よりも、あいつらがいたおかげで全然アンタに触れなかったからね。もう限界なんだ」
「ほぅ。そなたにもそういう良識があったとはな」
「良識?馬鹿言うな。アンタのイイ顔をあいつらに見せるのは勿体ないだろ?」
「なななななっ…」
ロベリアのその言葉に動揺して赤面するグリシーヌ。
そんなグリシーヌを余所に、ロベリアはその顎に手を遣り自らの方に引き寄せると唇を重ねた。
「………ん…っ………」
暫くそれを堪能した後、ようやく唇を離したロベリアにグリシーヌが言う。
「……だ、誰か来たらどうするのだっ…?!」
「来る訳ないだろ。だから、追い出したんだ」
「は?」
「今頃はアタシとアンタがいつもの言い合いを始めてるから暫く戻らないでいようって思ってるさ」
「なっ…。そなたまさか…」
「当然だろ?」
そう悪びれずに不敵に笑ったロベリアに脱力するグリシーヌ。
「はぁ…。まったくそなたという奴は」
「惚れ直しただろ」
「違う。呆れておるのだ」
「ふん。…まぁ、でも面白くなかったのは本当だけどな」
鼻で笑った後、小さくそう付け加えたロベリアにグリシーヌが聞き返す。
「何だ?」
「何でもないよ。それより─」
そう再びグリシーヌを抱き寄せるロベリア。
頬を染めながらロベリアの肩に頭を預けるグリシーヌ。
「…アンタが足りなくて限界だって言っただろ?」
低く囁くように言ったロベリアにしか聞こえない小さな声でグリシーヌが返す。
「…私もだ…」
そう返すと、グリシーヌはロベリアを引き寄せるようにロベリアの首に腕を回した─。

 

~あとがき~

ライブで二人ともサジ姐との絡みがあったので、これは書かないとと!
楽の最後の挨拶でロベがサジに言った「アンタに一言言って置く。”酒は飲んでも飲まれるな”」
これはロベからの牽制だと思っています。(←嘘です。その前までのサジの挨拶のパクリです(笑))
楽ではグリも”サジちゃん”って言ってましたからね。
ロベは面白くないですよ、きっと(爆
そんな、楽帰りの車中での妄想でした。

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