「ありがとう!」
顔を合わせるなり、突然ラチェットに礼を言うサニーサイド。
身に覚えのないラチェットが当然のように聞き返す。
「何?」
「だって、今日僕の誕生日だから」
思い掛けないサニーサイドの返しに思わず呆気にとられるラチェット。
「お祝いしてくれるんデショ?」
満面の笑みでそう言ったサニーサイドにラチェットは二の句が継げないでただ顔を見てしまうばかりだ。
そんな反応の薄いラチェットに、まさかとサニーサイドが問う。
「え?!もしかして、忘れてたのかい?!」
「…そうじゃないわ」
ようやくのラチェットの反応に安堵の息を漏らすサニーサイド。
「なら良かった」
「そうじゃないけど…」
「けど、何だい?」
「そういうのって自己申告するものなの?」
ラチェットのその質問に笑いながらサニーサイドが言った。
「君にはするよ」
そのサニーサイドの言葉に首を捻るラチェット。
「まだ判らないのかな?」
その問いにラチェットは正直に頷いた。
本当に全く理由が判らない。
戸惑うラチェットの手を取ると、その甲にキスを落としてからサニーサイドが言った。
「今夜、お時間はありますか?あなたに僕の誕生日を祝って欲しいのです」
如何でしょう、姫?と低く囁くように最後に付け加えたサニーサイドにラチェットの顔が一気に朱に染まる。
そんなラチェットに満足そうな笑みを浮かべるサニーサイド。
「…なんてね。ドキドキした?」
「か、からかったのね?!」
「まさか。それで、君の予定は?」
そう問うサニーサイドの表情は自信に満ちている。
ラチェットが断る訳がないと信じているようだ。
「…他に予定があったらどうするつもりだったのよ?」
呆れ顔でそう言ったラチェットに不敵に笑って返すサニーサイド。
「その時は実力行使するつもりだったさ」
当然だろう?、そう言い放ったサニーサイドに呆れを通り越して諦めに似た感情を覚えるラチェット。
「─そうね。あなたはそういうひとね」
「君が一番解ってるデショ?」
そう得意げにウィンクするサニーサイドに思わずラチェットから笑みが零れる。
「ええ、そうよ。─お誕生日おめでとう、サニー。今日があなたにとって素敵な日になりますように」
それから、サニーサイドの頬にキスをするラチェット。
「ありがとう、ラチェット。君のおかげで素敵な一日になりそうだ」
ラチェットを愛おしそうに見つめるサニーサイド。
夜まで待てないとサニーサイドが駄々をこね始めるのも時間の問題だ─。
久々のサニラチェでした。
いいなぁ、サニーさん!書き始めたら書きやすいなぁ!(笑
多少の無茶振りを許してあげちゃうラチェットは本当に可愛いと思います。
お誕生日おめでとうございました!( ̄ー ̄;