「かまっての合図」ロベグリ(10/05月作成)

『おたがいさま2』

「勝手にするがよい」
そう言ってそっぽを向いたグリシーヌに、慣れた様子でロベリアが返す。
「ああ。そうさせて貰う」
そして、暗黙の内に待ち受けるグリシーヌに口づけて。触れて。与えて。乱して。
全てを支配して─。
─幾度か甘美な熱に浮かされた後、ベッドに横たわり少し呆けた様子のグリシーヌを意味ありげに見つめるロベリア。
「…何だ?」
その視線に気付かないグリシーヌではない。
少しニヤついているようにも見えるロベリアに問う。
「勝手にしろと言っている割には待ってるよな、アンタは」
ところが、ロベリアから返って来たのはそんな言葉。
「なっ…!」
羞恥心からグリシーヌの顔が紅く染まる。
勿論、それを解って言ってるのであるが。
「ああ。その顔が見たかったんだ」
そう口角を上げるロベリア。
「大体、”勝手にしろ”ってアタシの勝手にさせたら、アンタの身が持たないと思うぜ?」
『まだ手加減してやってるんだ』と宣う始末。
そんな不敵なロベリアの態度に、グリシーヌは呟くように返す。
「…ならば」
「ああん?」
「…手加減などせねば良い」
顔を隠すようにロベリアに背を向けるグリシーヌ。
「聞こえないね」
わざと挑発するように言うロベリア。
「…もう言わぬ」
拗ねたように返すグリシーヌ。
「言わないで後悔するのはどっちだと思う?」
狡い物言いに口をつぐむ。
言ってしまったら、負けだと解っているのにどうして言えようか。
グリシーヌにも解っていた。
それを渇望しているのは、自分の方かもしれないと。
何も考えられないくらい、ロベリアで満たして欲しいと思っている事を自覚しているのだから。
ここで躊躇う理由など本当はないのだ。
「そんな顔するなよ」
いつの間に顔を覗き込まれていたのか、ロベリアの顔が思いの外近くて不意を突かれる。
「!」
「アンタのその顔が何よりの答えだね」
そんなに物欲しそうな顔をしていたのかと、ますます顔を紅くするグリシーヌ。
「…またアンタが欲しくなってきたよ」
そう言うロベリアの顔は嬉しそうだ。
背を向けているグリシーヌを後ろから抱き締めて、囁く。
「─アタシの勝手にさせて貰うな?」
その問いに頷く代わりに、起き上がるとグリシーヌはロベリアの上に乗って口づける。
そして、言った。
「…お互い様ではないか」
「まぁね」
そう笑い合うと。
二人は互いを隔てているシーツを取り合った─。

~あとがき~

ただいちゃいちゃ第2弾。ロベグリー。
エロではないです。裸なだけですとか言い張ってみる(笑
グリって結構、誘い受けのような気がするのですが。
でも、素直に「私にかまえ!」とかもありかと。
ロベは必要以上にかまうんだろうなぁ。
明らかにそういうプレイになりますね。

title by: TOYバカップル20題「かまっての合図」

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