巴里ライブ・カウントダウン4!
窓を開けて、その縁に腰掛けながら外を見つめるロベリア。
カップを二つ手にして、戻ってくる大神。
ロベリアに思わず見とれそうになって、ハッと気付き声を掛ける。
「寒くないのか?ロベリア」
手にしたカップをロベリアに差し出しながら、大神が言った。
「いや、これ位が丁度良い」
差し出されたカップを受け取り、カフェを一口啜った後ロベリアが言う。
「あんたも気が利かないな。こういう時は酒だろ?」
「そうかもしれないけど、これだって暖まるだろ?」
そう苦笑した大神に、ロベリアの表情が一瞬和らぐ。
「…まぁな」
再び、窓の外に視線を向けるロベリア。
「…アタシはノエルなんてクソクラエって思ってたよ」
「え?」
ポツリと言ったロベリアに大神が聞き返す。
「神が居たら、アタシはこんな風になってないって思ってたからさ」
「ロベリア…」
「…ガキの頃の話だけどな」
吐き捨てる様に鼻で笑うロベリア。
「今は…、どうなんだい?」
真剣な顔でロベリアを見つめる大神に、思案顔でニヤと笑ってロベリアが答える。
「…聞きたいかい?」
そして、大神の首に腕を回し、艶のある声で囁く。
「…ベッドの中で聞かせてやるよ」
その甘美な言葉に小さく息を一つ吐いてカップを置くと、大神は引き寄せられる様にロベリアの頬に手をやった。
ノエルの夜は始まったばかりだ─。