「あんたを好き過ぎてどうにかなりそうだ」
会うなり、開口一番にそんな事を言ったロベリアに思わず素っ頓狂な声を上げるグリシーヌ。
「はぁ?!」
「何だよ。聞こえなかったのか?だから、あんたを好き過ぎてどうにかなりそうだって」
再びロベリアが発したその言葉に聞き間違いではなかったのだと再確認して、グリシーヌの顔が一気に紅く染まる。
「ななななな何なのだ…!」
「何って言葉の通りさ」
「貴様、熱でもあるのか?!」
どうにもロベリアらしからぬ言動についそんなことを言ってしまう。
「やれやれ、酷いね。人の告白をさ」
ハァと大袈裟にため息を吐くロベリア。
「信じられる訳がなかろう」
「本当か?本当は嬉しいとか思ってるんじゃないのかぁ?」
ニヤニヤ笑いながらそう言ったロベリアに、いつも通りのロベリアだと妙な安心感を覚えるグリシーヌ。
「やはりからかいたかっただけなのであろう?」
「まぁね」
「ふん。残念だったな」
少し勝ち誇った様に笑ったグリシーヌを思案顔で見ると、ロベリアが言った。
「いや、そうでもないさ」
「負け惜しみを言う」
「残念だったのはあんたみたいだったからね」
『それで満足さ』と言い放ったロベリアに、自分の体温が上昇していくのが感じられてグリシーヌは顔を隠す様に背を向けた。
「か、勝手に言ってるがよい!」
「じゃ、前言撤回。満足なんかしてる訳ないだろうが」
後ろからグリシーヌを抱き竦めるロベリア。
「もっとあんたを困らせてやりたいよ」
「ななななな」
「何をするかって?…決まってるだろう?」
そう囁く様に言ったロベリアに目眩を覚えながら、グリシーヌは静かに目を閉じた─。
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