『エイハブにて。』ラチェット&レニ篇


 「……レニ」
 「何…?」
 「やっぱり私の事を嫌い?」
 「……そうだった」
 「…過去形にしてくれるの?」
 「ボクだっていつまでもあの時のままじゃない」
 「二年前だってそうだったのに私は認めようとしなかった」
 「でも、今は違うって思ってるならそれでいいよ」
 「あの時…、私は自分だけがあの頃のまま立ち止まっていたようで怖かったのかもしれない」
 「そう思えるようになったのはラチェットも変わる事が出来たからだよね」
 「えぇ」
 「…少なくとも、紐育華撃団には必要な存在だよ。隊員たちは皆ラチェットを信頼しているように見える。それはラチェットが変わる事が出来たから手に入れられたものだ」
 「ありがとう、レニ…」
 「お礼を言われる程の事じゃない」
 「ふふ…」
 「何?」
 「今の言い方、昴に似ているなって思って」
 「…気の所為だよ」
 「そういう事にするわ」
 「………(やっぱり苦手だ)」

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